薬剤耐性(AMR)対策について
感染症とは、病原体(細菌やウイルス等)が体に侵入して、症状が出る病気のことをいいます。細菌による感染症には抗菌薬(抗生物質、抗生剤)を用いて治療します(通常の風邪はウイルスが原因ですので抗菌薬は効きません)。体のどこに問題がおきているのか、原因になっている菌は何かを考えて治療方針を立てて、抗菌薬を内服する量や期間が決まります。
抗菌薬を処方されたときには、決められた量と回数を決められた日数で飲みきらないと、感染症が治りきらず、治るまでに余計に時間がかかってしまうこともあります。症状が良くなったとしても体内に細菌が残っていることがあり、治療が終わらないうちに抗菌薬の投与をやめてしまうと、きちんと治らずに感染症をぶり返してしまう恐れが高まります。
また、抗菌薬が中途半端に効いた状態になると、しっかり使っていればやっつけられていたはずの菌が生き残ります。このような菌は抗菌薬に対する耐性を獲得しやすく(すでに獲得しているものも)、そのような菌が多く増えることがあります。こうした、耐性菌はときに体を飛び越えて人から人へ、また、人から環境へと拡散していきます。
抗菌薬は年齢、体格、腎臓や肝臓の機能などを考慮して、ちょうどよい量に調整されているのです。だからこそ処方された飲み方を守ることは、病気を確実に治すため、抗菌薬による副作用を減らすため、とても重要なのです。症状の有無に関わらず、お医者さんから指示された抗菌薬はきちんと飲み切りましょう。
参考サイト
<厚生労働省 薬剤耐性(AMR)対策について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
<かしこく治して、明日につなぐ~抗菌薬を上手に使ってAMR対策~>
http://amr.ncgm.go.jp/