サプリメントの相談は、かかりつけ薬剤師に
サプリメントを利用する上で、注意していただきたいことがあります。
その前に、「健康食品」には、法律上の定義はありません。一般的には、通常の食品よりも「健康によい」、「健康に効果がある」、「健康の保持増進に役立つ」などの表現で販売されているものが該当します。また、サプリメントとは、ある成分を濃縮して錠剤やカプセルなど、通常の食品とは違う形をして作られた製品を指します。
サプリメントは医薬品ではなく食品なので、今ではスーパーやインターネットでも簡単に購入できます。最近では約3割の人が毎日サプリメントを利用しているとか、以前サプリメントを利用したことがある方は約8割もいたという報告があります。
2種類以上の薬を飲んだときに、効果の増強や減弱、副作用が起こることを「薬物相互作用」といいます。これは病院でもらう薬(医療用薬)だけでなく、市販薬(一般薬)や漢方薬、サプリメントなどとの間でも起こる可能性があります。
最近は医薬品の成分をそのままサプリメントに採用したものがあるので、当然その効果も薬と同レベルのはずです。でも、薬のような厳しい規制基準はなく、中には「完全には溶けない錠剤やカプセル」という粗悪な商品報告もあります。
また、「天然由来」や「総合」や「マルチ」と謳うと、一見「安心」「安全」「完全」をイメージしますが、自然であるが故に有効成分の含有量が一定でないことや、必然的に未知の成分が含まれている可能性もあります。つまり、有効成分の不均等や不必要な成分まで摂ることになります。
さらに、サプリメントの利用はズルズルと常態化するのではなく、3か月くらいを目安に、その効果や安全性を確認しながら、継続か中止を判断して下さい。
サプリメント使用を単に反対しているわけではありません。薬とサプリメントの組合せは無限大にあり、それに本人の体質という条件も加わりますので、自己判断だけでは危険です。医師からは問われないかもしれませんが、使用開始と中止については「かかりつけ薬剤師」に相談し、わざわざ高額な料金をお支払いしながら実は病気の治療の妨げにならないよう上手に利用することをお勧めします。