マイナ保険証とお薬手帳、賢く使って安心な医療を
2024年12月から従来の健康保険証は新規発行されなくなり、**マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」**の普及が進んでいます。薬局の窓口でマイナ保険証の提示後にお薬手帳も確認され、「ちょっと面倒だな」と感じる方もいるかもしれませんね。
しかし、マイナ保険証とお薬手帳は、それぞれ異なる大切な役割を持っており、どちらも活用することで、より安全で質の高い医療を受けることができるんです。
マイナ保険証を薬局で見せるメリット
マイナ保険証を薬局で提示することには、主に以下のメリットがあります。
- 正確な保険資格の確認と手続きの簡素化: オンラインで保険情報が確認でき、資格の確認が正確かつスムーズに。
- より良い医療の提供: ご本人の同意があれば、薬剤師が過去に処方されたお薬の情報や特定健診の結果をオンラインで確認できます。これにより、初めての薬局でも、あなたの医療情報を踏まえた、より適切な薬の選択や、重複投薬・飲み合わせの悪い薬の回避につながります。
- 高額療養費制度の利用手続きの簡素化: 高額な医療費がかかる場合でも、窓口での支払いが限度額までとなり、事前の申請手続きが不要に。
- 窓口での自己負担金軽減: マイナ保険証を利用することで、自己負担金がわずかながら軽減される場合があります。
「過去のお薬情報が分かるなら、お薬手帳はもういらないのでは？」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
お薬手帳が「やっぱり必要」な理由
お薬手帳には、マイナ保険証にはない独自の強みがあります。
たとえば、市販薬や、保険を利用しない自由診療で服用しているお薬については、マイナ保険証で情報を参照できません。お薬手帳に記録することで、処方薬との危険な飲み合わせを防げます。
また、過去に薬で副作用やアレルギーを起こした経験は、お薬手帳に記録しておくことが非常に重要です。これにより、再び同じ薬や類似の薬が処方されるのを確実に避けられます。これらの情報は、現在のところマイナンバーカードでは確認できません。
さらに、薬剤師はお薬手帳に記載された服用中の薬、アレルギー、副作用歴、そして過去の病歴などを確認することで、あなたの健康状態や生活習慣をより詳細に把握し、適切な服薬指導や健康管理のアドバイスを提供できます。これは、オンラインの情報だけでは得られない、きめ細やかなサポートにつながります。
それぞれの長所を活かして、より良い医療を
マイナ保険証とお薬手帳は、同じような機能を持つ部分もありますが、それぞれが補完し合う関係にあります。
ぜひ、それぞれの長所を理解し、両方を薬局で提示することで、あなたにとって最も安全で、最適な薬物治療を受けてくださいね。
参考ウェブサイト
マイナンバーカードの健康保険証利用のメリットhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22682.html
お薬手帳について
http://matsuyamayaku.jp/general/d_notebook/